続・笑顔のままでパロディ〜記憶喪失編〜
※この話は、笑顔のままでの続編ですが、パロディ調にしてあるのでキャラが壊れているところがあります。突っ込みのはげしい入江くんやオオボケの琴子が好きじゃない方はブラウザから戻るのをお勧めします(^^;
Version 1 琴子side
夢を見た。
なんだかよく覚えてないのだけど、大事なものをなくしそうになる夢。
あたしは、それを守ろうとする夢。
(あれ…?ここは?)
目が覚めるとなんだか白い部屋にあたしはいた。
(家…じゃない?あたし一体…)
自分のなじみの部屋でないのにあたしは気付いて、慌てて身を起こそうとした、
その時―――
「おきるな」
頭上から、とても心地よい低い声が聞こえてあたしは上を見上げた。
「きゃぁぁ!!」
な、な、なんでぇ!?
あたしは上を見た瞬間叫ばずに入られなかった。
だってそこには・・・
「入江くんそっくりの人が何でこんなとこにいるのーーー!?」
「はぁ?」
頭上にいた、男の人はあたしの叫び声に素っ頓狂な声をあげた。
いや、そんなことはこの際どうでもいいわ、本当になんでこんな…て、あれ??
「ここは、どこ?」
何であたしってば、なんでこんな白い部屋にいるんだろう。しかも、腕にはチューブがついてるし。
「斗南病院だよ。おまえ車に轢かれたのおぼえてないのか?」
「え、車に・・・?」
まったく覚えていない。あたしってばいつの間に・・・
と、言うことはこの人ってもしかしてお医者さんなのかな。白衣着てるし、入江くんと同じ顔で頭よさそうだし。
それにしても、
「本当入江くんに似てる・・・。あの、すみません、もしかしてお医者さん、『入江直樹』って言う弟とかいらっしゃいませんか?」あたしがそう尋ねると、お医者さんはさっきよりももっと眉をひそめて
「・・・おまえ、さっきから何言ってるんだ?」といってきた。
「む、そっちこそさっきからお前、お前ってすっごく失礼じゃありません?
あたしには『相原 琴子』って名前があるんですけど」
そう、あたしが言い返すと彼はすごく驚いたように目を見開いた。
「『相原』…琴子?」
お医者さんはゆっくりと確認するようにあたしに尋ねた。
そうよっ!と、右こぶしを出して返事をしようとしてあたしははじめて気がついた。
あたしの右手を彼が握っていたことに。
「あ、あの、手、離してもらえますか?」
あたしが、顔を真っ赤にしながら何とか言うとお医者さんは「あぁ」といってあっさり離してくれた。うーん、なんだかほっとしたような、残念なような。
だって、この人本当にずっと片思いしている入江直樹くんとそっくりなんだもの。きっと入江くんがあと7・8年したらこんな風になるんだろうなぁって、簡単に想像できちゃうくらいに、そっくりなのだ。
そんな人に手を握ってもらえてたなんて思い出すだけでドキドキする。でも、何でこの人、手なんて握ってたんだろう・・・?はっ!もしかして・・・!!
「ここの病院ではお医者さんは患者の手を握るのが規則!?」
「…お前がけが人でなきゃ、今すぐ殴ってんだけど…」
うっかり出てしまったあたしの心の声に、怒りを押し殺した声が返事を返した。
ちょっと、思いついただけなのに…、そんなに怒らなくても。
その時、ちょうど廊下からこの部屋にかけてくる足音が聞こえてきて、ドアをあけた。
「琴子が目を覚ましたってのは本当か直樹くん!?」
「お、お父さん!?」ドアから現れたのはお父さんと、それに
「まぁ、琴子ちゃん大丈夫なの!?」
「おい琴子大丈夫か!?」
・・・だれ?この人たち??
お父さんの次に現れたのは妙齢の女の人と私と同じくらいの男の子だった。
そして、この男の子も入江くんに似ていた。
しかし、この人たちがお父さんと一緒に現れたってことはつまり―――
「お父さん。あたしに内緒で再婚する気なの――――!?」
ずるっ
あ、お父さんがこけた。
そして、お医者さんはあぶら汗をかいて
他の二人は目を点にしてあたしのことを見ていた。
な、なに?あたしなんか悪いこと言ったのかなぁ。
それにしてもなにかさっきからお父さんに違和感があると思っていたら。
「お父さん。ちょっと老けた?」
どてっ
何とか復活しかけていたお父さんは、あたしの一言にまたしても倒れてしまった。
それでも何とか起き上がるとお父さんはお医者さんを見て
「な、直樹くん・・・こりゃぁ一体・・・」
すると、お医者さんはため息を一つついて
「外で話しましょう」
そういって、彼らと一緒に外に出て行ってしまった。
あたしにちゃっかり『おとなしく寝ていろ』と言い残して。
あたしは一人になって考えてみた。
大人なった入江くんそっくりのお医者さん
老けた(おいっ)お父さん
そして、あたしの知らない人たち
どんなに考えてみても分けのわからない事だらけ・・・一体・・・
あたし一体どうなっちゃッうの――――――!?