寂しいほど冷たかった風が、少しずつ
少しずつ、やさしい姿に変わってゆく・・・
斗南大学の講堂。
−−−−・・・・諸君はこれから社会の荒波にもまれても
斗南大でつちかった自身と誇りを忘れずに・・・−ーーー
大勢の卒業生と来賓がまじめな顔で祝辞に耳を傾けたり、ビデオカメラを 構えている。(その中で、一番興奮しているのが入江ママ)
その中に、真理奈、鴨狩、桔梗、智子たち、おなじみの顔も見える。その トナリに、もちろん目に涙をためながら、妄想にふけっている琴子の姿も・・・。
******************************
式が終わり、卒業生が校門のところで写真を撮ったり、後輩と話したりし ている。
真理奈たちも講堂から出てくる。
船津「ま、まっ真理奈さん!!!」
船津が両手いっぱいに真っ赤なバラの花束を抱えて真理奈をよみとめる
船津「あ、あ、あの!これ、どうぞ!」っと花を束差し出す!
真理奈、少しおびえた様子で、「あ、ありがとう・・・」
******************************
看護科の講義室
琴子はコンクリートの壁にもたれかかって、目を閉じている。
琴子「・・・あ〜あ・・・入江君来てくれなかっったなぁ・・・忙しいん だもんね、仕方ないよね・・・・・でも、会いたかったな〜〜」
******************************
校門
卒業生1「・・・・えっ!・・・」
卒業生2「・・・・!!!!きゃ〜!!!」
なにやら、校門の方が騒がし い。
桔梗「・・・なにかしら???・・・!!!!きゃ〜〜〜!!!い、い、 入江さん!!!!」
直樹「よお!ひさしぶり。卒業おめでとう」
桔梗「あ、ありがとう!入江さん、もしかして!琴子のために?琴子喜ぶ わ〜〜〜!!!琴子っ!琴子っ?あれ?あの子さっきまで一緒にいたのに、ドコ
行っちゃったのかしら???」
******************************
看護科の講義室
琴子は相変わらず妄想を続けている。
琴子「そういえば、去年の入江君の卒業式はステキだったなぁ〜〜〜ムフ フ・・・・・・もし、今日入江君が来てくれてたら・・・・ムフフ・・・ステキ
だろうな〜〜〜」
夢心地気分で目を開ける琴子
「!!!!!!っ」目を見開いて後ズサル琴子「ガッン!!!」っと壁に 頭を思いっきりぶつけてしまう!
目の前に直樹の顔がある!!!!
琴子「いった〜〜〜!!」頭を抱えてうずくまる。
直樹「ったく・・・なにやってんだよ・・・」琴子の頭に手を当ててやる。
琴子「っ〜〜〜い、入江君!!!」がばっ!と直樹に抱きつく!
「!!!っ」直樹、一瞬驚いて、やさしく抱きしめてやる。
直樹「一年間、よくがんばったな」琴子の髪をくしゃっとなでる。
琴子「うん!・・うん!」泣き出して、再び抱きつく。
直樹と琴子、お互いの額をくっつけて目を閉じる・・・・
通い合うこころとこころ・・・・
・・・・・あなたが最高にだいすきよ!!!・・・・・
おわり
|