続・笑顔のままでパロディ〜記憶喪失編〜
※
これは笑顔のままでの続編パロディ版です。
しゃべりのおかしい入江くん、天然行き過ぎの琴子がだめな方は速攻ブラウザから戻ることをお勧めします(^^;
virsion7 琴子side
その夜、あたしは昼間の睡眠と今日の出来事が合わさって眠ることが出来ずにいた。
布団の中で何度も寝返りをうっては、昼間の出来事をを思い返した。
もし、あの記憶が記憶喪失前のあたしの記憶なら…。あたしは、記憶を取り戻しかけているのかもしれない。
だとしたら…
ガラッ
と、部屋の扉が開く音がしてあたしは考えを中断せざる得なかった。
看護婦さんの見回りだと思ったあたしはベッドの壁がわに顔を向けて狸寝入りを決め込むことにした。
(べつに狸寝入りなんてしなくてもいいんだろうけど、なんだかここの看護婦さんってあたしに風当たりが厳しいのよね)
まさか、(記憶喪失前の)あたしが余りに優秀な看護婦だったからそれをねたんでの行動!?・・・とも思えないし。(あたりまえ)、でもほかに考えられることって―――
だんだん道がそれていく考えをしているあたしだったけど、さっき見回りに来きていた看護婦さんがこの部屋に入ったきり立ち去る気配を見せないことに気付いた。
(…まだ出て行かないのかなぁ。見回りってこんなに長くいるものだっけ?)
そういぶかしんでいると、今度は“ガタッ”と、お見舞いに来る人用の椅子が引かれる音がした。
えっ!なんで!?と、思ったあたしは思わず狸ね入りしていたのも忘れ勢いよく壁向きの顔を振り向かせた。すると、そこにはこんな時間にとうていいるはずのない―――
「い、入江くん!?」
の姿があった。
「・・・・・っ!」
入江くんは、あたしがまだ起きていたことがよほど驚いたのか、しばらく空いた口がふさがらないみたいだった。
あたしはあたしで、何でこんなところに入江くんがいるのかさっぱり理解できずに口をパクパクさせていた。
「お前なんで起きてんだよ」
むっとした表情で先に言葉を発したのは入江くんのほうだった。
「入江くんこそ。何でこんな時間にいるの?今日は夜勤じゃないんでしょ」
現在時間午前2時10分。はっきり言って夜中だ。
「・・・ちょっとな、そんなことより怪我人がこんな時間まで起きてていーのかよ」
「昼寝しちゃって、なかなか寝付けなっかたの」
そんなあたしにあきれ返る入江くんに、あたしは思わず昼間の出来事を話そうかと思ったが、それよりも先に聞きたかったことを聞こうと思った。
「入江くん・・・」
「ん?」
あたしの呼び声に応えた入江くんはあたしを見る。
明かりの無い暗闇で、それでも入江くんの様子が分かるのは窓から差しかかる月明かりのおかげである。
そして、あたしは尋ねる。
「どうして、あたしは事故にあったの?」
だれも、この問いには答えてはくれなかった――。
なぜだか分からないけど、みんながみんなおなじような顔をして口ごもってしまって結局だれも答えてくれなかった。
でも、入江くんは答えてくれるような気がした、この人はあたしに嘘も、ごまかしもしないと思ったから。
単に、ごまかすなんて面倒くさいのが嫌いなだけなのかもしれないけど…
あたしは、その質問の答えを待つためにじっと入江くんを見ていた。
入江くんは、形のいい眉をひそめ、言い出した。
「俺を助けるためだよ」
「え?」
あたしは彼のいっている意味がわからなくて聞き返す。
「俺が車に轢かれそうになったから、お前が俺を助けようとして車の前に飛び出したんだよ」
入江くんはなんだかいつも以上に無表情な顔をしてあたしにそう言った。
そしてあたしは…
「なぁんだ、そうだったの!」
そんな明るく言い放つあたしに入江くんは少したじろいでいた。
「もー、みんな大げさに内緒にするからあたしてっきり、自分が自殺でもしたんじゃないのかな、とか考えちゃったじゃない」
「…どこのどいつが自殺だって?」
あたしの考えに入江くんが半眼になってつぶやく。
「む、あたしだって、もしかしたら世の中を儚むとか、人生に疲れた、とか思ってたかも知れないじゃない」
「ありえないね」
さらに、否定する入江くん。
「なによその、あたしがなーんにも考えない人間みたいな言い方、失礼じゃない!」
「ふーん…記憶喪失なのに、結構自分が分かってるじゃないか」
「んまーっ!」
その一言に、あたしは切れた。
「何よその言い方っ!だいたい入江くん、本当にあたしたちって結婚してるの!?もう、ずっとずっと聞きたくて我慢してたけどぜんぜん入江くん診察以外じゃお見舞いに来てくれないし、態度だってそっけないし、いまだって人のこと馬鹿にするしっ」
「実際ばかだろ、悔しかったら記憶をさっさと取り戻すんだな」
くやしいー!なんなのよまったく。あの憧れの入江くんがこんな性格していたなんてっ
あたしは、あんまり悔しいので身を起こしてさらに言い返そうとした。が、
「いたっ」
起こそうと体を持ち上げるために使った右手が痛みを訴えた。
それに気付いた入江くんは、あたしをいとも簡単にベッドに押し倒し
「さっさと寝ろ、暴れたら傷の直りが悪くなるだけだぞ」
そういって、布団に押し込められてしまった。
「……」
わかってる、この人はなんだかんだ言ってもあたしのことをちゃんと心配してくれている。
あたしは、顔が近くまで接近している、入江くんに顔を赤くしながら。おずおずと手を入江くんの方に差し出した。
「ねぇ、あたしが眠るまで手をつないでもいい?」
そして、入江くんはしばらく沈黙した後に「あぁ」といって手を握ってくれた。
「入江くんは、どうしてあたしと結婚なんかしたの?」
入江くんが、お見舞い人用の椅子に座りなおし、布団のなかのあたしの手を握ってしばらくして、あたしはそう尋ねた。
「あたしって、ほんと何にも出来ないし、お料理もだめだし…」
「知ってるよ。」
「それに…」
「それに、寝相も悪いし、寝坊もする。…全部知ってるよ」
「……」
あたしの言うより先に入江くんがそれをさえぎるように話す。
「だからお前はそんなよけいなこと考えんな」
「…うん」
うん、分かった。
そういってあたしは、今度こそ本当に眠りについたのだった。
結局、今日のあの記憶の話しはできなかったけど、それは、明日話せばいいことだし。
でも、入江くんほんと、なんでこんな時間にいてたんだろう?
まさか、入江くんがいつも夜にあたしの様子を見にきてくれていたなんて、あたしはまったく知るよしも無かったのであった。
あさって11月21日は、あたしの退院の日。そして、もう一つの意味があるのだけどあたしはまだそれを思い出していなかった。
11月21日。あたしと入江くんの5年目の結婚記念日を―――。
中の中がき
やっと、これを書くことが出来ました。パロからちょっと脱線気味ですがご勘弁をっ(><)
ところで、琴子と入江くんの5年目の結婚記念日のあたりってもしかして入江くん○戸にいたのでは?なんてことは言わないおやくそくvvあくまで「パロディ」ですので細かい設定は棄てちゃってください(爆)