Lv.99<レベル.99>

 

・・・これは、よくあるRPGゲームの村の、どこにでもいる村人Aのお話である―――。

 

プロローグ

 

 

ある日―

 

気付くと自分は、『Lv.99』になっていた・・・

 

 

「な、何でこんなことにーっ!!」

 

“その通りだ、勇者『村人A』よ”

 

「なんだっ!?どこからともなく声がする!?」

“いや、その前に『勇者』てのにも気付いて”

「あ〜、何でもいいから俺を元に戻せよ」

“それは無理”

「何でやねんっ」

“・・・って、何で大阪弁?それに直せるわけがない、ただのバグなんだから”

「人の人生かえることをあっさり無理とかを言うなーっ!」

“そんな過ぎてしまったことより、とにかく行くぞっ勇者よ”

「どこへ??」

 

 

“もちろん、魔王の元へだ”

 

1.

 

「あっと言う間にラストダンジョンだな・・・」

あきれていいのか、笑っていいのかそれとも、泣いてしまえばいいのか分からなかったが、自分はすでにラストダンジョンの洞窟の中にいた。

「なにせ、Lv.99だからねー」

「うるせーっ!ナビゲータ。大体なんなんだよその姿は」

「あ、これは一応君と話しやすいように、ナビゲーター人間バージョン2.0だよ」

「と言うことは、1.0があるのか?」

「なにせ、きみがいつも上を見ていたら首がつるっていうからこうして姿を作ってあげたんじゃないか」

「しかも、何気にキャラ変わってるし」

「さっ、ラスボスを倒しにレッツゴー!!」

 

 

「無視かよ、オイ」

 

2.

 

『ふははははっっっ、よく来たな勇者一行よ!』

 

「えっ、もうラスボスとの戦闘!?」

「あははは、Lv.99だからねー、ところで一行ってことはもしかして、僕もパーティに入ってるのかな?」

「・・・俺とお前、二人しかいねーのに一行てことはそうなんだろ」

 

『ふふふ、仲間で作戦をねっているのも今のうちだ、これをみろっ!!』

「あ〜れ〜、勇者様〜」

 

しばしの沈黙。

口を開いたのは村人Aのほうだった。

 

「あれ、だれ?」

「・・・姫でしょ、勇者の必須アイテムの」

「アイテムなのか?」

「アイテムでしょう」

 

「・・・・・・」

「・・・・・・」

 

『ふはははっっっ、それでは心ゆくまで戦おうぞっ勇者よ!!』

 

 

エピローグ

 

「・・・で、勝っちゃうんだもんなぁ」

「あはは、Lv.99だからねー」

「あー、ボスも倒したし、これからどうしようか・・・」

「戻っちゃえば、元の村人に」

「Lv.99の?」

「そう、Lv.99の」

 

 

「・・・・・・・・」

村人Aはナビゲータの言葉を聞くと空を仰ぎ、しばらくそれを眺めると

 

「それもいーかもな」

 

そう一言いった。

 

 

 

 

 

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